2020年09月25日

クリエイティブ・コモンズにおける、「改変禁止」を考える

この記事のきっかけは、
https://creativecommons.jp/2020/06/22/%E5%AD%A6%E8%A1%93%E5%87%BA%E7%89%88%E7%89%A9%E3%82%92%E3%80%8C%E6%94%B9%E5%A4%89%E7%A6%81%E6%AD%A2%E3%80%8D%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%81%A7%E5%85%B1%E6%9C%89%E3%81%99%E3%82%8B/
(学術出版物を「改変禁止」ライセンスで共有することが不適切である理由)

を読んだことでした。
もともと、Web のほう、http://axis.blue/ では、一部の作品(創作)を、クリエイティブ・コモンズで公開していました。
で、最近、クリエイティブ・コモンズに再び興味が湧いてきましたので、このブログの冒頭にも、クリエイティブ・コモンズに関する記述を追加してみました。

実は、このブログは、最初(期間にして、約1日)は、CC BY-ND (表示 - 改変禁止)で公開しました。
が、上記のブログに触れ、ちょっと考えて、CC BY-SA (表示 - 継承)に変更したのでした(改変はOK)

Web のほうは、創作中心に、CC BY-SA(表示 - 継承)で公開していました。
これも、結構考えたのですが、
・もともと、「創作」なので、それ自体が事実を伝える意図を持ったものではない
・意に添わない「改変」であっても、オリジナルの表示は指定しているので、作者の意図はわかってもらえる
ということで、「改変OK」である、CC BY-SA で公開しました。

が、ブログでは、ある程度以上の「主張」を盛り込んでいるものですから、まず考えたのが、「この主張を曲げて伝えられるのは困る」ということでした。
ゆえに、ブログのほうは、CC BY-ND(表示 - 改変禁止)での公開を考えました。

そこでであったのが、冒頭のブログだったわけです。

------ 引用開始 -------
改変禁止ライセンス(CC BY-ND と CC BY-NC-ND)は作品を複製し、広めることを許可するが、いかなる方法でも、改良、リミックス、改変、翻訳、アップデートすることで派生物となるものを作成することを禁止する。簡単に言うと、人々はオリジナルから「派生した作品」や翻案を作成することができない。
------ 引用終了 -------

まず、「翻訳」が「改変」に含まれることは驚きだった。「改変」のイメージとして、主張する内容が変質することばかりを意識していましたが、同じ主張を違う形で伝えることも、「改変」なのだと気づかされた次第です。
そして、

------ 引用開始 -------
再利用者は、もととなる作品に加えられた変更を示し、もとの作品へのリンクを提供しなければならない。変更された資料を利用しようとする人は、これにより何が変更されたかを確認できるようになる。そして、その利用者がどの部分が元の作者によるもので、どの部分がもとの作品の作者ではなくそれを改変した利用者によるものなのかの判断が可能となる。
------ 引用終了 -------

という記述に至って、「意図を変えるような改変が行われたとしても、その内容は、明示される」ということに気づいたのでした。

ここに至って、ブログの記事であっても(私のブログにおいては) CC BY-SA での公開が適していると判断したわけです。

さて、つらつら書いてきましたが、「そんなにあれこれ考えたところで、このブログの記事が再利用されることなどあるのか?」という疑問があるかと思います。
まあ、その疑問は尤もというところかと思います。
が、このブログの記事が再利用されることがなかったとしても、クリエイティブ・コモンズの表示を行い、意思表示をすることは、大きな流れの中の小さなひとつの流れとして、それなりの意味はあるのだろうと思っています。
posted by 麻野なぎ at 22:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 著作権の周辺
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