2010年04月14日

500円玉と10円玉のお話

これまたどこかで聞いたお話。
ある施設の少女。彼女に取っては、500円玉より、10円玉の方が価値があるのだという。
なぜなら、10円玉があれば、その施設の赤電話で大好きなお母さんに電話ができるから。

本当にこの通りだったか、あるいは、話者の意図はどうだったか、不確かな面もありますが。

これを読んだとき、「ああ、500円玉の方が価値があるに決まっている」などと、こちらの価値観を押しつけてはいけないのだなと思いました。
でも、ちょっと待て?

実際には、500円玉の方が価値があります。もちろん。
なぜ、だれも、彼女に「一枚の500円玉は、50枚の10円玉になるんだ」と教えなかったのでしょう。
悪意で考えれば、「お母さんの声が聞こえる」といって、500円玉を渡すべきところで、10円玉を渡すようなことも考えられます。

本当にすべきなのは、「今すぐにお母さんの声を聞くには10円玉」ということではなく、「ちょっと手間はかかるけど(両替しなければならないから)500円玉は、10円玉50枚になる」と教えることなのではないかと思うわけです。

さて、そしてこれは、なにも、彼女だけのことではありません。
私たちは、往々にして、「今までできていたやり方」「今やっているやり方」に固執しがちです。
もしかしたら、「両替する」という手間を惜しんで、10円玉をかき集めているのは、私たち自身なのかもしれません。
posted by 麻野なぎ at 21:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感
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