たとえば、「万引きは立派な犯罪です」という表現がある。
この表現に対して、時として「犯罪を、立派などと表現するとはどういうことだ」というクレームがつくケースがあるらしい。
「立派な」という単語自体は、形容動詞で
・堂々としていて正しいようす。いかめしく見事なようす。また、技術・能力などがすぐれているようす。
・とやかく言う所がなく完全であるようす。
という2つの意味を持っている。(いずれも、『学研国語大辞典(第2版)』
冒頭の例は、後者の用例であり、「間違いなく、明らかに犯罪である」ということを意味している。
後者の意味に気づかなかった場合、不自然な意味だと感じられるわけである。
と、ふと考えてみた。たとえば、「万引きは立派に犯罪です」と表現したら、おそらくクレームはつかないだろう。
この違いは何によるのか? そもそも、この表現は正しいのか?
さて、少々調べてみると、立派なという単語は形容動詞である。
そして、「立派な犯罪です」というケースでは連体形であり、「立派な」は直接名詞である「犯罪」を修飾する。
これに対して、「立派に犯罪です」のケースでは、連用形であり、助動詞の「です」にかかる。
つまり、「明らかな事実です」というニュアンスとなる。
だから、「立派に犯罪です」であれば、後者の意味が強調され、誤解の余地も少ないと、そういうことのなのだと納得した次第である。
2010年05月09日
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