2010年05月30日

月に関するいくつかの指標 ―― 月齢・月相 そして、月の異名

「節気さんシリーズ」に、最近、「月齢君」を加えました。
その件は、ご案内ということで、記事にいたしましたが、このときに、月の異名を併せて表示するようにしました。
また、節気さんシリーズ全体としても、月に関しては、「月齢」と「月相」という二つの数値を表示しています。

ここでは、このあたりのことについて書いてみたいと思います。

【基準となる瞬間 ―― 朔】

月に関わる数字で、日常的に関わる(言い換えると、地球から見たときに関わりのある数字)の基準は、「朔」です。
言い換えると、新月の瞬間ということで、さらにいえば、「太陽と月が同じ方向に見える瞬間」です。
ただ、同じ方向といっても、太陽と月は滅多に重ならないので(完全に重なるときには日蝕になります)おおざっぱに言えば、横方向の位置が一致したときになります。
※ただし、横方向というのが、地平線の方向ではないので、横方向の位置が一致したときといっても、もしも見えたら(それこそ、新月の瞬間なので実際は見えませんが)違和感のある位置だと思います。

これを基準にして、月齢や月相が定義されます。

【月齢とは】

堅い言葉で言えば、「朔の瞬間からの経過日数」です。
たとえば、これを書いているときから、一番近い朔(新月の瞬間)は、2010年6月12日の20:15(日本時間)です。
これを元にして、翌日(6月13日)の20;15 には月齢1、翌々日(6月14日)の20:15には、月齢が2……と数えるわけです。

【小数点のある月齢表示は?】

上記の通り、「朔の瞬間」を基準に月齢を数えるわけですが、さらに、1日 = 1.0 として、算出する場合に小数点以下を含めた表示を行います。上記の例では、12時間(= 0.5日)経過した翌日(6月12日)の、8:15 には、月齢 0.5 となります。

【月齢と月の形】

さて、月齢というのは経過時間を元にした数字です。一方で、月が地球の周りを回る早さも、地球が太陽の周りを回る早さも一定ではありません。こんな訳で、月齢と月の形は、完全には一致しません。
たとえば、2010年5月28日 8:07 は満月になった瞬間ですが、このときの月齢は 13.9 でした。
一方で、2010年12月21日 17:13 の満月は、月齢 15.6 です。
そうはいっても、月齢12で満月になるというようなことはありませんから、十分目安にはなるということです。

【月相とは】

これに対して、月の形を正確に反映しているのが「月相」です。
月相とは、「見かけの月と太陽がなす角度」のことされています。
つまり、月相が0度であれば、太陽と月は同じ方向=新月。180度なら、反対方向=満月。90度と270度は半月です。
これには、もうひとつの表し方があって、0度〜360度を、0〜28の数字で表すものです。節気さんシリーズで使用しているのはこちらの数字になります。
こちらの数字を使った場合には、月相0が新月、月相14が満月、月相7と21がそれぞれ半月です。
上述した、5月28日と、12月21日の満月も、月相はいずれも14.0になっています。

※節気さんシリーズで、「そろそろ満月」「概ね上弦」「まさに新月」などと表示しているのは、この、月相を基準にしています。

【旧暦の日付と、月の異名】

さらに関連しているのが、旧暦(太陰太陽暦でした)の日付です。
この暦は、「朔の瞬間を含んだ日がついたち(一日)」として、それ以降、2日、3日……と日付を振っていったものです。
そして、月の異名の多くが、この日付を基準としています。

よく知られている、「十五夜」という表現は、この、「旧暦15日の夜の月」を意味しています。
旧暦の日付の決め方は、先に述べた月齢の定義と類似しています。言い換えれば、月の異名もまた、月の形と完全には一致しないということです。
このため、いわゆる中秋の名月(旧暦8月15日の夜)は、必ずしも満月ではないという事態も発生します。
(もっとも、満月に近いというのは間違いありません)


節気さんシリーズにおいて、月の名前は、以下のようにつけています。

朔月(1)・既朔(2)・三日月(3)・夕月(4)・夕月(5)・宵月(6)・弓張月(7)
九夜月(9)・十日夜(10)・十日余の月(11)・十三夜(13)・小望月(14)・十五夜(15)
十六夜(16)・立待月(17)・居待月(18)・臥待月(19)・更待月(20)・二十日余の月(21)
弓張月(23)・有明月(24, 25, 27, 28)・二十六夜(26)・暁月(29 以降)
(括弧の中は、朔を含む日から数えた(当日も含む)付きの出現回数)

※ただし、朔の前日(旧暦の月末)は、晦日月

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