2016年01月06日

多用される「……すぎる」

最近、バラエティ番組を中心にか、「……すぎる」という言葉が多用されている気がする。
それも、どうやら、肯定的な意味で使用されていることが多いようだ。
本来、「……すぎる」とは、

〔物事がある数量・程度を〕こえる。度を越える。(学研国語大辞典)

のように、否定的なニュアンスを持っている。
※接尾語としての、「……すぎる」

「大きい服」は、ゆったりとして快適かもしれないが、「大きすぎる服」は、扱いに困るものだ。

もちろん、「辞書に書かれている事柄を盲信するのは良くない」とか、「辞書に書かれていることにこだわるべきではない」とか、「そもそも言葉は変化するものである」という主張は、それぞれ間違ってない。
ただ、言葉が表現の手段であるのみならず、コミュニケーションの手段でもある以上、共通認識としての辞書は、尊重すべきだと思う。

以上のように書いてきたが、私自身は、「美しすぎる人」のように、肯定的な意味で「……すぎる」を最初に使用した人は、センスのある人だと思う。実に、辞書に書かれている(共通の)ニュアンスを無視することで、「常識の範疇で捉えられないような美しさ」を表現したのだと思う。

ただ、繰り返しになるが、それは、「……すぎる」という表現を肯定的な意味では使わないという共通認識があった上での、「常識破り」である。
最初はインパクトを伴った表現であっても、それが、まねされることで、インパクトは薄れてしまう。
今、バラエティで、「美しすぎる人」と聞いても、単に、「とても美しい人」という印象しか与えないであろう。

ニュアンスの喪失である。
言葉は単なる意味の他に、ニュアンスを伴っている。
それを利用する――少数の場合、敢えてそのニュアンスを否定するような使い方をする――ことで、印象を深めることができる。
ただ、それは、多用してはならない。

単に、「辞書にある使い方と違う」というだけではない。
元々あったニュアンスを喪失させ、そしてまた、印象をも喪失させるからである。

posted by 麻野なぎ at 17:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感・ことば

2015年12月23日

WG-S30のお供……ベルトシール by 「ミドリ」

さて、10月に購入した「シャープ電子ノート」WG-S30です。
本体のまとまったレビューも書きたいところではありますが、今回もまた、小ネタで。

現在、当方の WG-S30は(外観は)こんな感じになっています。
mag_all.jpg
もともと、シャープストアのモニタに当選して、若干安価に購入できました。
で、このカバー自体は、そのときのオマケになります。

ただ、右上にみえる、「ベルトシール」が今回紹介したいものになります。
もともと「手帳にスナップをつける」ためのものですが、ペンフォルダーもついていて、こんな感じでペンが収まります。
mag_part.jpg
詳細は、http://www.midori-store.net/SHOP/4461/54582/list.html

購入当初から、実は、ケースを物色していました。
その動機は、「格好良いケースが欲しい」だったのですが、この付属の(あるいは、純正の)ケース自体には、あまり不満を持っていませんでした……一点を除いて。
不満点というのは、「事実上純正のペンしか(ケースに)させない」という点です。

もともと、純正のペンは、ちょっと軽すぎる、滑りやすいという点で、なじめないところがありました。そして、こちらの方は、パイロットの、Hi-tec C コレトシリーズ
http://www.pilot.co.jp/products/pen/ballpen/gel_ink/coleto/
を使うことを意識していました。

このシリーズには、「(感圧式の)タッチペン」があり、純正のペンよりも、ペン先が見やすくてまた、ペンとしてのグリップも良く、このペンを使おうとしたのでした。
が、最も細い2色タイプでも、純正カバーのペン差しには入りません。太すぎて。

そういうわけで、ペンがさせるタイプのケースもいくつか試しましたが、しっくりくるものはありませんでした。
そうこうするうち、近所の文具店で、この、「ベルトシール」を見つけました。
これだと、コレトの4色ペンでも十分入ります。
カバーに元々ついていたペンフォルダーを切り取り、このベルトシールを取り付けたわけです。

と、ここで失敗したのは、近所で見つけたものは、「スナップタイプ」だったということ。
実際スナップタイプで、蓋を閉めようとすると、WG-S30の画面に、スナップを押しつけることになります。
純正の(オマケのも)カバーは、画面保護のために、かなり堅い材質で作られてはいますが、やはり、閉める度に画面に力をかけるのは、好ましくありません。
純正のカバーに取り付けたのは、こんな感じ。
suna_all.jpg
純正カバーは、WG-S30とほとんど同サイズのため、ペンの部分がはみ出して見えます。
さて、ここで、「これが、マグネット式だったら……」と思って、検索をかけたら、なんと、マグネット式のものも、ラインアップされていたのでした。
そこで、マグネット式の方を、現在使っているカバーに取り付けたわけです。この、「ベルトシール」は、かなり強力なシールになっていて、はがすのはそこそこ以上の危険性を伴いますので。
posted by 麻野なぎ at 21:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 周辺機器のあれこれ

2015年10月20日

WG-S30では、4月始まりのスケジュールを作成できない

-------------- 2015/10/30 追記しました。(2)
改めて Web ( http://www.sharp.co.jp/enote/special/schedule/ )を確認すると、

> 1冊のスケジュール帳で作成できる期間は、最大で約1年間です。

なるほど、「約一年」だから、嘘はついていないわけですね。
なんだかな〜 な仕様ではありますけど、

-------------- 2015/10/30 追記しました。

追加情報がありました。

それによると、

・週間スケジュールは、「最大52週」しか作成できない。
・ただし、1月始まりの時は「(特別に)52週を越えて」作成できる

という仕様だそうです。
え?

1年は365日(または、366日)です。
つまり、52週間と1日(または、52週間と2日)です。
どうあがいても、1年間の日数を含む週間スケジュール帳は作成できません。
(1月始まりは除く)

この下で試した、4月始まりのスケジュールも、作成できたのは、3/30 - 翌年 3/27 のスケジュール帳でしたから、(もともと意図した、4/1 - 3/31 という以前に)1年分の日数が入ってないのがわかります。

どこから、「最大52週間」という仕様が出てきたのか、実に不思議です。
しかも、この仕様で、1月始まりのスケジュールを作ろうとしたら、「作成できなかった」ので、1月始まりだけは、最大52週間の制限を外したのでしょう。

これはこれで、とっても不安です。
ソフトの世界では、「特別な処理をするということは、何かが間違っている可能性が高い」と言われます。
1月だけ特別な処理をする必要があるということは、

・1月だけ特別な事情がある
・そもそも仕様が間違っている

のどちらかなのですが、「いいや、とりあえず、1月始まりのスケジュールが作成できれば」という安直な修正があったとすれば、そのソフト開発の品質はどうなの? という気になってしまう場面であります。

では、Max 53週で問題は解決するでしょうか?
実は、

・最初の日が日曜日で、
・スケジュールの中に 2/29 を含む

というケースが最悪で、54週間を要します。

具体的には、1月始まりだと 2068/1/1 - 2068/12/31 がそれに該当します。
この間のスケジュール帳は、54ページ分が「作成可能」です。

4月始まりだと 2035/4/1 - 2036/3/31 がそれに該当します。
この間のスケジュール帳は、54ページ分が必要ですが、「作成不可」です。
無理に作成しても、2035/4/1 - 2036/3/23 までの 52ページしかできません。
2035年度は、まだ、1週間残っているのにです。
------------------ ここまで追記 -------------------------------------

さて、シャープの電子ノート WG-S30 を入手しました。
一つの機能として、「スケジュール機能」があります。
これは、「開始日と終了日を指定して(ただし、最大で1年分)スケジュール帳を作ることができる」機能です。
が、ちょっと変?

入手したのが、10/16 でした。
スケジュール帳を作ろうかなと思い立ち、まだ10月ということで、最近増えてきた「4月始まりのスケジュール帳」を作ろうとしたのですが。

・1週間フォームを選んで、
・開始日を 2015/4/1 とする(直前の月曜日 2015/3/30 が開始日になりました)
・終了日を 2016/3/31 とする(直後の日曜日 2016/4/3 を終了日にしようとしたようです)
・日数がオーバーして作成不可

でした。
(結局 終了日は、16/3/27 で、52ページ分のスケジュール帳を作成しました)

思い立って、
・開始日 15/1/1(実際には 14/12/29)
・終了日 15/12/31 (実際には 16/1/3)
という設定では無事に作成できました(53ページ分)

なぞです。
いずれも、日数は 371日。できあがるはずの スケジュール帳に含まれるのは53ページ。

なぜ、4月始まりだと、1年分のスケジュール帳が作成できないのでしょうか?

※ちなみに、1日=1ページのフォームだと、問題なく作成できました。
posted by 麻野なぎ at 12:50| Comment(0) | 周辺機器のあれこれ

WG-S30のお供。ChainLP

先日発売された、シャープの電子ノート WG-S30 を入手しました。
「これ欲しい」と思っていたところ、シャープさん(のショップ)のモニタ募集を知り、普通に買うよりは少々安く入手することができました……というのが、基本的な立場です。

で、そうなると、本体のあれこれをレビューしたくなるのですが、それは、しばらくおくとして、「お供」とも呼べるソフト、ChainLPを紹介させていただきたいと思います。

http://no722.cocolog-nifty.com/blog/chainlp/ です。

WG-S30 の「お供」としては、

1) WG-S30 から書き出したノート(1ページ=1画像ファイル)を、PDF や EPUBにまとめることができる
※EPUB は、電子書籍リーダーで読めます。

2) 青空文庫(または、その形で作ったテキストファイル)を、画像ファイル(1ページ=1画像ファイル)を経由して、ノートとして WG-S30に取り込むことができる。

という用途に使用できます。

特にテキストを読み込みのに、フォント・フォントサイズ・画面サイズ(直接 600×700ドットで指定可能)が指定できますので、かなり良い感じに仕上がると思います。

一点問題があるのは、ChainLPの画像出力は、BPM に対応していないという点です。
これも、純正の「SHARP電子ノートユーティリティ」を併用することで、対応可能です。
(このユーティリティを使うと、JPEG からでも、ノートを作成できます)

まずは、ご紹介まで。
posted by 麻野なぎ at 12:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 周辺機器のあれこれ

2015年09月14日

すごいおいしいスイーツ(?)

以前からといえば言えるけれど、「すごい」という言葉が、間違って使われるケースが多い気がする。
「すごい」というのが、元来は「恐ろしい」という意味で……と、ここで言うつもりはないのだけれど、「すごいおいしいスイーツ」はだめだね、と思う。

文法的にいえば、「すごい」は形容詞で、「すごい」という形をとるのは、終止形か連体形である。
「おいしい」(形容詞)という用言は、「連用形」である、「すごく」を採るべきだということになる。

だから、「すごくおいしいスイーツ」は正解。
「すごいおいしいスイーツ」は、「おいしい」を強調しているのなら間違い。
ただ、「すごい」は、終止形でもあるので、「すごい! おいしいスイーツ!」なら、OK。
この場合、「すごい」で切れているので。

これは、たとえば、
「すごい人が来た」と「すごく人が来た」の相違でもある。
「すごい人が来た」の「すごい」は連体形なので、「人」を修飾する。
人はたった一人かもしれないけれど、その人自身がすごいのである。
「すごく人が来た」の「すごく」は連用形なので、「来た」を修飾する。
一人一人は普通の人かもしれないが、とにかく、大量に来たのである。

言葉は生き物だという意見もあるし、文法なんて所詮後付けという意見もある。
この意見は、いずれも正しいと思う。
ただ、後付けで文法ができているのは、そのように一般化できるほど、言葉を話す人のセンスが共通化できている(できていた?)ということを意味している。
少なくとも「すごいおいしいスイーツ」には、「なんか変だな?」と感じて欲しい気がする。文法的な説明なんて、無視しても良いから。

posted by 麻野なぎ at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感・ことば

2015年06月24日

「月のもの」の周期と、「月の」周期

さて、現在、女性の生理の周期は、「平均して28日」であると言われている。
これが、一部では、「月の満ち欠けの周期と一致している」と誤解されているらしい。

いくつかのサイトでは、「生理の周期は平均28日」という説明と共に、例えば、「満月に生理を迎えると云々」という解説すら見かけた。

が、月の(朔望の)平均周期は、29.5 である。
というわけで、28日周期で見ると、月齢にして約1.5ずつ前にずれることになる。

実際に 2015年〜2019年の「28日ごと」の月齢と月相を計算するとこのようになる。
28日ごとの月齢.png
※月相という数字は、月の形を正確に反映する数字です。
 0 = 新月、7 = 上弦、14 = 望、21 = 下弦
 月齢と月の形の関係は、少しずれます(しかもばらつきます)。

 このように、2015/07/16 には、新月を迎え、2016/03/24 にはほぼ満月になる。
 これが、28日周期で見た実体である。

 ただ、1周期では、1日ほどしかずれないので、「生理の周期は月の周期と同じ」と言われれば、日々の暮らしの中では、気づきにくいということは確かにあると思う。

2015年06月21日

新gTLD を受け入れないサービス

2015/08/05 追記。
本日の段階で、「わたしムーブ」は、.blue のメールアドレスを受け入れてくれるようになりました。

------------------------ 追記ここまで -----------------


先に書いたように、昨年7月頃に、axis.blue というドメインを取得した。
既に大量に登録されている、いわゆる、「新gTLD」のひとつ、.blue に登録したのである。

この時、「あるいは、.blue に対応していないサービスもあるかもしれな」とは思っていた。
実際、2003年に、.name のドメインを取得した際、いくつかのサービスで、.name で終わるメールアドレスは拒否されたからだ。
しかし、当時でも、「.name のアドレスが登録できません」とサポートに連絡すると、数日以内には対応できていたので、あまり心配はしていなかった。

ところが……。

「わたしムーブ」というサービスがある。
http://www.watashi-move.jp/

身体の様々なデータを登録して、生活習慣の改善に役立てようというそういうサービスである。
以前から使用していて、このサービスも、登録したメールアドレスを変更しようとした。
すると、
axis.png
「メールアドレスに誤りがあります。もう一度入力してください」
と、こういうメッセージを出したまま、次に進めない(もちろん、メールアドレスの再入力は可能)
一応、入力したアドレスに間違いないことを確認して、「新gTLDに対応できていないのでは?」とサポートに連絡すると、「そのとおり」という回答があった。

で、結論から言えば、改善するつもりはないらしい。事実、それから一年近くたった、今日(2015年6月)も改善はされていない。

せめて、「ごめんなさい、新gTDLには対応できていません」というエラーメッセージなら、わかる。
それが、「メールアドレスに誤りがあります」とは。
せめて、「どういう点で誤りと判断したか」という情報は必要であろう。

ちなみに、インターネット上で正しく、到達性のあるメールアドレスを「誤り」と判断されたので、こういうメールアドレスを登録してみた。
exam.png
こういうのを「誤り」とは、判断しないで、正しいメールアドレスを「誤り」と決めつけるとは。
しかも、一年以上の放置のままとは。

とほほ……。

まあ、新gTDLのアドレスを全部集めても、全体の数%にしかならない(もっと少ないか?)のは、事実であろう。しかし、一方で、「普通の人」に、.blue で終わるアドレスを示して、「なんですかそれ? 間違ってないですか?」と言われたことはない。
「メールアドレスなんて、単なる文字列」というのが、正直な感覚かもしれない。
が、それならそれで、自分のメールアドレスを登録しようとして、「メールアドレスに誤りがあります」と断言されて、途方に暮れるケースはあるのではないかなと思う次第である。
posted by 麻野なぎ at 15:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感

2015年04月04日

C++ Builder の TDateTime が、1989年12月30日から経過日数なのは?

最近、様々な時刻表現を表示するプログラムを作って遊んでいました。
その中で、C++Builder の TDateTime と、Excel の(時刻)シリアル値が、実は同じ数値になるのを発見して、喜んでいたりということをしていました。

でも、「本当にそう?」とドキュメントを調べてみると、

TDateTime : 1989年12月30日からの経過日数
Excelのシリアル値 : 1900年1月1日を「1」とした日数

ということで、本来違うはずです。
普通に解釈すると、TDateTime の内部表現と、Excelのシリアル値は、1日ずれるはず。
でも、実際に表示している数字は同じ。

で、まずは、実験してみました。
0 を入力すると 1989/12/30 vs 1900/1/0 (おい?)で、確かに違う。
1 : 1989/12/31 vs 1900/1/1
2 : 1900/1/1 vs 1900/1/2
100 : 1900/4/9 で、「同じ」

実は、ここで、見当がつきました。
1900年は閏年じゃないけど、Excleは閏年で処理をしている。

そのあたりをついてみると、

59 : 1900/2/27 vs 1900/2/28 相違
60 : 1900/2/28 vs 1900/2/29 相違……というか、1900/2/29 は存在しない日付。
61 : 1900/3/1 で「同じ」

ということで、Excel まさかのバグ? と思ったら、この話(Excel が 1900年を閏年にしていること)は、結構有名な話のようでした。
「Excel 1900年」などで検索すると、関連する情報がいろいろ出てきます。

ということで、C++Builder の、一見中途半端な、1899年12月30日 という起点は、Excel のシリアル値と同じになるように設定して、なおかつ、「正しく」仕様を記述した結果ということかもしれません。
posted by 麻野なぎ at 18:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感

2014年09月08日

私にとってのドメイン

この記事は、まさに、雑感という内容になります。
とまれ、この記事を書くきっかけになったのは、(少々古い話ですが)「ドメインを整理しよう」と思い立ったことです。
もともと、本名に対応した、keiichi.fujiwara.name というドメインと、ペンネームに対応した、nagi.asano.name というドメイン(と、あと、いくつか)を持っており、メインのWeb は、こちらのドメインで運用していました。
このドメインを廃止して、axis.blue というドメインに統一して、Webのほうもそれで運用しよう。ついでに、このブログも、http://koko.axis.blue/ というドメインを割り当てました。

個人的には、かなり大きな変化になりますので、まあ、ドメインに関していいろいろと思うところを書いてみようと思い立ったわけです。

さて、インターネットというものと関わり始めた(単なるユーザーですけど)のは、1995年頃になります。
ちょうど、Windows 95 が出て、インターネットなるものが騒がれ始めた、ちょうどその頃です。
この頃、運用面ではほとんど知識が無かった頃ですが、メールアドレスにしても、Webのアドレスにしても、「プロバイダからの借り物」を使うしか選択肢がありませんでした(私にとっては……以下、同じ)

ただ、Webのアドレスは、致し方ないものの、その頃既に、いくつかの「メール転送サービス」が存在していました。
アドレスをひとつもらって、そのアドレス宛のメールを、別のメールアドレスに転送してくれるというものです。
これを使うと、見かけ上、「プロバイダのものではないメールアドレス」を持つことができます。

私にとって、「プロバイダのものではないメールアドレス」は、あこがれでして、といっても、「ドメインを取得して云々」という運用知識も無い状態で、これは、願ってもないものでした。
その中のひとつに、qua.net というサービスがありました。
メールアドレスとして使うと、(たとえば)nagi@qua.net となって、(@ を a と読み替えることで)アクア・ネット と称していました。
類似のサービスよりも、名前がスマートでして、大枚千円/年(おいおい)の料金を払って、使用していました。

が、「プロバイダを変えても、メールアドレスはそのまま」だったはずが、数年でサービス中止という事態に。
私自身、この、nagi@qua.net を、ほぼメインで使っていたので、かなり焦りました。ま、結局そんなに大きな問題は起こさなかったのですが。
実際、しばらくして、qua.net が、ドメインとして存在しなくなっているのを確認しました。

今なら、つかさず、qua.net を取得するのですが、当時は、そういう知識も無く……今思うと、悔やまれてなりません。
※2104年9月時点、qua.net は、ドメインとして存在しています。

さて、それからも、「プロバイダと関係ないメールアドレスが欲しい」という欲求を抱えつつ、でも、決定打も無いまま、数年が過ぎました。
そのとき、.name ドメインというものが降って湧いたのです。
この時点でも、ドメインを取得して運用するという知識は無かったのですが、.name ドメインは、「転送メールアドレスがおまけでついてくる」というシステムでした。
上述したように、nagi.asano.name というドメインを取得したので、nagi@asano.name という転送アドレスがおまけでついてくるわけです。
※これも、実際には、「漏れなくついてくる」というわけではなく、取得をお願いしたレジストラによっては、「転送メールはなし」というケースもあります。

これは朗報でした。
とにかく、「プロバイダに関係ないメールアドレス」が持てるのです。しかも、今回は、永続性があると思って良いでしょう。
しかも、.name というドメインは、お手軽に持てるので、これからどんどん広まります(これ、今となっては事実と違う)今のうちに(2002年頃)取得しておこう。
これが、.name ドメインとの出会で、そのまま今に至るわけであります。

ただ、この時点では、転送メールの設定はできても、http://nagi.asano.name/ で、自分の Webを表示すると言うことはできませんでした。

さらに時は流れ、ふとしたきっかけで、「ロリポップでWebを開設する」ということをお手伝いすることになりました。
それ自体は難しいものではないですし、無事に開設までたどり着いたのですが、この時初めて、「nagi.asano.name でWebを運営するのは、実は簡単」と気づいたのでした。
結局、もう少しいろいろあって、(ロリポップではなく)現在の、さくらインターネットで、Webを開設し、nagi.asano.name でアクセスできるようになったと言うことです。

さて、そうなると、「qua.netを取得して、メールアドレスとして使うことができる」と気づきます。
気づきますが、qua.net は既に取得されていて、どうも、(私が)取得するのは困難です。
それでも、「もしかして、失効していない?」と、たまに調べていました。

と、今回、.blue という(それ以外にも多数)トップレベルドメインが使用可能になったという情報が。
今なら、(qua.net はだめでも)qua.blue はとれるのでは? と思ったのが運の尽き。
なぜか、気づいたその日には取得できず(商標申請のデータベースがおかしかったらしい)、その夜に、勢いで、axis.blue を取得してしまいました。
(その後、qua.blue も取得した)

で、勢いでとったものの、
・ドメインの運用コストがかさむなぁとか、
・今のままでも、メールアドレスとか、URL とか間に合っているのに、axis.blue とか、qua.blue とか何に使うの?
という、「そもそも取得する前に考えろよ」という問題にぶち当たったのでありました。

で、一晩悩んだ後、「あ、そもそも、axis.blue でドメイン統一しよう。.name って、あんまり広まらなかったし、(特に転送メールサービス込みだと)ドメインの維持費高いし」ということで、上述したように、.name 廃止、axis.blue で統一(あと、qua.blue は、家族のメールアドレス用に使用)ということでおちついたという次第でした。

おまけ、最近思うこと ever.green って、良いかもしれない。
posted by 麻野なぎ at 14:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感

2014年05月10日

ご飯一杯が角砂糖14個分でもいいじゃないかい?

最近、炭水化物が目の敵にされている節がある。
そして、炭水化物の重量をもとに、「××には、角砂糖××分のカロリーが」云々という話もよく見かける。

はては、ご飯には角砂糖14個(諸説あったりするのが何とも)が「含まれる」ていて、まるで、カロリーの塊ダイエットの大敵という話にまで膨らんでいる。
確かに、角砂糖14個が並んでいると、ちょっと困るかもしれない。これは、「大袈裟な数字を出して、主張を際立たせる」というよくある手法ではあるが。

ただ、考えなければならないのは、カロリーも炭水化物も、過剰摂取は害になっても、本来必要なものであるという点である。
たとえば、ダイエットが気になりそうな、18-29歳女性の、平均的な基礎代謝は 1120kcal であり、「静的な生活をしている」場合は、その1.5倍の、1680kcal が平均的な1日の所要カロリーとされる。
https://www.med.or.jp/forest/health/eat/01.html
(日本医師会)

さて、角砂糖のカロリーは387kcal/100g ということである( http://slism.jp/calorie/103008/ カロリーSlism)
だから、上記「静的な生活をしている18-29歳女性」の1日所要カロリーをまかなうためには、1680÷387×100=434g が必要になる。
ということで、1個4g の角砂糖が 108.5個必要ということになる。

もともと「ご飯」というのは、主食であり、一日の所要エネルギーを確保するためのものである。
角砂糖108.5個をまかなうために、14個分のカロリーを3回(+状況によりおかわり)採るのがどれほどの問題なのだろうか?

ご飯は角砂糖換算14個で驚く前に、そもそも、一日に角砂糖108個分のカロリーが必要だというのを認識する必要があるということだろう。

もっとも、「甘い」清涼飲料も、カロリー換算で、14個くらいの角砂糖が含まれるということになる(500ml のコーラなど)
これなど、確かに、8本で一日の所要カロリーを突破してしまう。
その意味では(そもそも、こちらは嗜好品なのだから)清涼飲料水の飲み過ぎには注意しましょうということになる。

ただ、こちらも、角砂糖14個で驚くのではなく、単に、所要カロリーが2000kcal も必要ないのに、252kcal(コカコーラ 500ml)ものカロリーを、8本分も飲んだらアウトというだけのことなのだが。

posted by 麻野なぎ at 13:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感